はじめに
「お金を使い切るのが怖い」 「でも、我慢ばかりして死ぬのも嫌だ」
資産形成を頑張ってきた人ほど、このジレンマに陥ります。 2026年現在、インフレと高金利が共存する複雑な経済環境において、かつての「定額取り崩し(毎月10万円ずつ使う)」のような単純な戦略はリスクが高まっています。
今回は、資産寿命を最大化しながら、人生の満足度も最大化する「2026年版・出口戦略」について解説します。
1. 4%ルールの「落とし穴」と2026年の新常識
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米国発の「4%ルール」(資産の4%ずつ取り崩せば30年以上持つ)は有名ですが、2026年の日本でこれを機械的に適用するのは危険です。
「定率」ではなく「ダイナミック」に
最新のトレンドは、相場環境に合わせて引き出し額を変える 「ダイナミック・スペンディング(動的取り崩し)」 です。
- 相場が良い年:4.5%〜4.7%まで引き出し、旅行や体験に使う
- 相場が悪い年:3.5%〜3.7%に抑え、最低限の生活費で凌ぐ
いわゆる「ガードレール戦略」です。2026年は米国金利が高止まりしており、債券利回りが稼げるため、比較的強気(4.7%付近)の設定が可能と言われています。
2. 日本人のための「Die with Zero」
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ベストセラー『Die with Zero』が提唱した「ゼロで死ぬ」という概念。これが今、日本独自の解釈で広まっています。
「資産のピーク」を60歳に設定する
死ぬまで資産を増やし続けるのではなく、「60歳(または判断能力がピークの時期)」を資産額の頂点とし、そこからは意識的に減らしていくという考え方です。
認知機能が低下してからお金を持っていても、有効に使えません。 「60代〜75代の元気なうちに、資産の3割を思い出に変える」。この決断ができるかどうかが、豊かな老後の分かれ道です。
3. 「106万円の壁撤廃」が最強のセーフティネット
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ここで重要になるのが、2026年10月に完全撤廃される「106万円の壁」です。 パートタイム労働でも厚生年金への加入がほぼ義務化されました。
これは現役時代の手取り減を意味しますが、老後においては**「死ぬまでもらえる終身年金(基礎+厚生)」の受給額アップ**を意味します。
公的年金という「長生きリスクに対応した保険」が強化されたおかげで、手元の資産(NISAやiDeCo)は、よりアグレッシブに取り崩しても大丈夫になったのです。 「年金があるから、投資信託は思い切って使おう」というメンタリティシフトが重要です。
4. 2026年の具体的アクションプラン
では、具体的にどうすればいいのでしょうか?
- 3つのバケツを見直す
- 短期(現金):生活費の2年分
- 中期(債券):5年分(※2026年はここを高金利債券で運用可能!)
- 長期(株式):残りのすべて
- iDeCoの70歳延長フル活用
- 働きながら「所得控除」を受けつつ、老後資金のラストスパートをかける。
- 「思い出配当」を予算化する
- 毎年年初に「今年はこれに〇〇万円使う」と決め、強制的に使う。
まとめ
資産寿命を延ばすことと、ケチケチ生活することはイコールではありません。 2026年の経済環境を味方につければ、「使いながら増やす(少なくとも減らない)」状態を作り出すことは可能です。
お金は墓場には持っていけません。 賢く増やし、賢く使い、最高の人生をデザインしましょう。